駐車場で、停車中の車にこすってしまったこと。

タイトルの通りです。当時の私の運転スキルは、縦列駐車や狭い場所への駐車は全力で避けるレベルです。

なのに、この日は挑戦する気持ちが燃え盛っていました。結果、タイトルの通りです。

そして私の寿命は縮まりました。

 

何を思いどのような対応を行い、どんな結果になったのか。

それを、この日記に記しておこうかと思います。同じような経験をしてしまった方の、参考のひとつとなりますように。

 

まず結論からです。

破損の大小に関わらず、こすった、あてた感触があれば、絶対に警察に連絡しましょう。

 

些細な傷だし逃げていいのでは、などと考えるかもしれません。

でも、逃げると後々自らのクビをきつく締めることになりかねません。

以下を即座に行いましょう。

0 車を邪魔にならない場所に移動させる。

1 店内放送で、被害を与えた車の持ち主をナンバーで呼び出してもらう

2 警察に電話をし、検証に来てもらう

3 相手の方に誠心誠意謝罪。

  任意保険会社へ連絡。

→ 運転される方はほぼ保険に入っているかと思いますので、その前提です。

とにかくこの3つは絶対に必要です。

よくわからないぐらいのものでも、逃げてはいけません。バレると懲役あるいは罰金です。

 

逃げてはいけない理由はこれです。

1. 被害者の方への賠償責任

2. バレないとは絶対に言い切れない

3. 車についた傷をどうするか決められるのは被害者だけ

 

では、体験談です。

 

その日、私は強いストレスを感じていました。

HSPの気が強いゆえのことでしょう。

些細なことではあるのですが、とにかく家でじっと、とある知らせを待てるような精神状態ではなく。

こんな時は無理にでも別のことをする方がよいように思いました。

しかし、外はどしゃ降りです。

やりたかったことをやれる天気ではありません。

なので、スロットでちょっとだけ遊ぼうかと車を走らせました。

駐車場は平日にも関わらずなかなかの盛況ぶり。

普段の私であれば、店舗から離れてでも空いているスペースを探したことでしょう。

しかし、外はどしゃ降り。

傘も車に積み忘れてます。

そして、なんとも言えない陰鬱な気持ち。

店舗から離れたくない、でも駐車場は空いてない..とうろうろし、隅っこにバックで止めようとするもうまくいかず。

ふと左を見ると、前から突っ込むスペースが、なんと空いていました。

両脇には車。スペースは狭め。

バックなら絶対に避けますし、通常時の自分なら前からでも入れようとはしないでしょう。

 

でも、前からならやれると思ってしまったんですよね。これなら私にもできると。

もうとにかく自分を悩ませる事から一時でも目を逸らしたかっただけなのかもしれません。

 

なんとか調整し侵入を試みましたが、隣の車との距離が近すぎます。

ドアを開けられないので、バック。ハンドルを切り返しゆっくり少しづつ前進としたところで、嫌な音がしました。ずずっという、鈍い音です。すぐにその音はなくなりました。が、おそらく当たってます。それぐらいはわかります。冷や汗が出ました。まず車をそのスペースから出し、傷を確認。よく目を凝らすと、塗装がちょっと剥がれたような跡があります。へこみはなし。

私がつけた傷なのか、そうでないかはわからないぐらいのものです。

 

とりあえず、車を駐車場内の奥まったがらがらのスペースに移動させ、頭を抱え、携帯でそのようか事案を検索し、また頭を抱えていました。

 

すべてが落ち着いた今であれば、「車を移動させた時点で店内放送でそのナンバーの人を呼び出してもらい、すぐ通報しろよ」というお話なんですが、パニックになり思考停止をしていました。

 

白状すると、大したことない傷だし、逃げてもバレないのではないか、と考えたりもしました。実際、見てすぐにわかるほどのものではないならば、逃げてしまう人も一定数いるのではないかと思います。その気持ち、理解できてしまいます。当ててしまった車の持ち主への罪悪感より、まず保身でした。

ただ、ドライブレコーダーが搭載されていたり、駐車場内にカメラが設置されていたりするのであれば、私は当て逃げをしたということで懲役もしくは罰金となるでしょう。(このケースでバレた場合を調べました)さらに、このまま逃げてしまえば、「警察がいつ尋ねてくるかわからない」などと常に怯えるはずです。かなりの心配性なので、そんな材料を増やしたくありません。

 

最後の決め手はこれでした。独身で、他に何にもないのであれば、問題はないといえばないんです。私が賠償し、罰金も払えばよいというだけの問題です。でも今は大切な旦那さまがいます。妻が、後ほど「当て逃げ」で懲役もしくは罰金など言われたら、旦那さまはどう思うでしょうか。彼は公務員です。身内からそんな人間が出たとなると、どんな処罰を受けるのでしょう。そこに思い至るまで約5分。即車内に積んでいたウィンドブレーカーを手に取り、当ててしまった車のところまで戻り、110をしました。どしゃ降りの中、警官の到着を待つこと数分。車の持ち主がいないが、どうすればよいかなどとパニックとなり言ってしまってました。

冷静に、店内放送の手続きをしてくださいました。あとは、どんな状態でどこをこすったのかの検証。自賠責と免許証、車検証を持ってきてくれとの指示。名前、職業、会社名など聞かれました。これまで、淡々と進みました。怪我人もいなかったからか責められることもなにもなく、ひたすら淡々とです。

 

被害者の方が出て来られるのを警官の方と待ちましたが、スロット店であるからか、一向に出てきません。おそらく、気付かないのでしょう。なので、被害に遭った車に張り紙をしてくださることに。保険を使う際に必要な事故証明のナンバーも教えてもらい、警察の方を介しての連絡を待つという運びとなりました。

 

自車に戻り、即保険会社へ連絡です。こちらが加害者にも関わらず、怪我はないかなどのお声がけをいただけました。涙が出そうでした。被害者の方から連絡先を聞いてもらえれば、あとはこちらがやりとりをするとのこと。その時やっと、「当て逃げをしなくて本当によかった」と心から思えました。

 

保険を使うと等級がさがり負担額は増えますが、それは、私が頑張ってお金を作るなりして補填すれば家族内で完結します。その道が見えたことで、本当にほっとしました。被害者の方への罪悪感も、いまさらですがやっと芽生えてきました。あとは連絡を待ち、誠心誠意謝罪をすること。

 

追い詰められた気持ちのまま過ごすことにならず本当によかった。でも、車を運転することが少し怖くなり、しばらく駐車場で固まっていました..

 

とにかく安全を意識して車を運転し、帰宅。保険会社担当の方からの電話を受け、今一度状況を説明し、お相手のナンバーを報告。

※お相手との連絡先交換を先にしていなくても、ナンバーを告げることは問題ないそうです。

 

自宅待機をしつつ警察からの電話を待ちました。結果、「理由があり、車は修理に出さない。大したことのない傷なので、問題はない。連絡先交換はする必要がない」と被害者の方が告げられたそうで、一旦問題なしということで終わりました。

 

ほっとしたと同時に、また、悪いことをしてしまったなとの気持ちが湧き上がりました。

 

ここまで読んでくださった方の中には、「結局逃げてもよかったのでは」と思われる方もいるかもしれません。でも、その小さな傷を修理するかしないかを決めるのは被害者の方です。修理を決めた場合、しばらくは慣れた車に乗れないということもあるやもしれません。さらに、修理工場まで自分の時間を使って持っていかないといけないのです。その労力を加害者が代わりに負うことはできません。

さらに、もし加害者が届け出なければ、そして当て逃げ犯が捕まらなければ、被害者は自腹で修理をすることになります。保険が降りても、次年度の保険料は引き上げです。これほどに不愉快なことがあるでしょうか。

 

加害者が出来ることは、然るべき手続きをとることです。加害者側の修理費用を支払うことです。私の場合、当て逃げをすることで旦那さまの身にふりかかるかもしれない事柄を考えた瞬間に身体が動きました。

 

守りたいものがない場合、逃げるという人もいるかもしれません。でも、逃げた先に安穏はありません。はらはらしながら生きていくのも、忘れた頃に警察からの連絡が来るのも、いやなことではないですか?

 

だから、被害者の方への謝罪、賠償のためというのはもちろんのこと。自身の今後のためにも、「これぐらいなら大丈夫」などと思わずにしっかり届けを行いましょう。

 

逃げたい気持ちはわかるんですよ。でもやっぱり、逃げずに向き合おうとしてよかったなというのが今の思いです。